副鼻腔炎の原因として一番身近なのは風邪でしょう。
鼻からの原因だけでなく、咽頭炎や扁桃炎などののどの炎症や真菌(=かび)、虫歯なども副鼻腔炎の原因となることがあります。ま
た、本来細菌感染のないアレルギー性鼻炎などが原因で起こることもあります。
両親が副鼻腔炎の場合は、子供も副鼻腔炎になることが多いという研究結果もあり、遺伝的・体質的な原因もあると考えられています。
虫歯も副鼻腔炎と関連します。特に上の歯の虫歯を放置すると、上の歯ぐきにできた膿瘍(のうよう)がその上に位置する副鼻腔(上顎洞)に広がり「歯性上顎洞炎」という副鼻腔炎を引き起こすことがあります
副鼻腔炎になると、鼻水・鼻づまり・痰・咳・頭痛などの症状が起こります。
鼻水も色のついた粘性の鼻水がでてきます。鼻水がうまく前から出てこず、喉へ流れて痰になることもあります。
鼻水とは、鼻の中で分泌される粘液と水分が混ざったものです。
細菌などの体に有害なものが鼻に入ってくると、それを外に流し出そうとして、鼻粘膜から大量に鼻水が分泌されます。
急性副鼻腔炎で鼻水が出るのも細菌など有害なものを排除しようとする働きによるものです。
最初はサラサラとした透明の水っぽい鼻水が、だんだん炎症が進んで副鼻腔に膿がたまるようになると、鼻水は黄色っぽい色のついた粘り気のあるものに変わっていきます。
細菌など体に有害なものが鼻に入ってくると、鼻水の分泌が増えると同時に、鼻粘膜が腫れて空気の通りが悪くなることがあります。これが、鼻づまりです。
鼻づまりは、体に有害なものを排除しようとする体の防御機能の現れであるといえます。また副鼻腔炎の場合の鼻づまりは、症状が進むにつれて粘り気のある鼻水が溜まることで鼻づまりを感じることも原因です。
副鼻腔炎になって鼻水の粘り気が強くなると、鼻水をかもうとしてもうまく出てこなくなります。これが喉に流れて(後鼻
漏)痰や咳の原因になることもあります。
※後鼻漏についてはこちらをごらんください。
長引く鼻水・鼻づまりは副鼻腔炎の症状の可能性があります。
風邪を悪化させて副鼻腔炎になってしまわないよう、風邪を初期のうちにしっかり治すことが大切です。特に「風邪の後にいつも副鼻腔炎になってしまう・・・」というかたは気をつけましょう。
副鼻腔炎の感染が疑われるのは、風邪をひいたあとに「鼻づまりが長引く」「鼻水が続く」または「鼻水が黄色や緑色になってきて粘り気がある」などです。早めに耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。
また、鼻の奥を中心に、頭痛や頬部痛、歯痛などのいろいろな部分に痛みがあるときも副鼻腔炎が強く疑われます。
これは鼻腔や副鼻腔に炎症が起こったため、通常なら空気が通るはずの道がつまった状態になって、中の圧力が低下するために痛みが生じるのです。
そして副鼻腔炎が慢性化した場合に気をつけたいのが、鼻茸(鼻ポリープ)です。鼻茸は鼻づまりの原因になり、息苦しくなるだけでなく気管支炎や喘息を合併させることもあります。
(詳しくは鼻茸(鼻ポリープ)を参照ください。)