乳幼児や小児が発症する副鼻腔炎を「小児副鼻腔炎」と呼びます。
小児副鼻腔炎を発症する理由はいくつかありますが、多くの場合は、風邪をひいたことをきっかけに鼻水・鼻づまり・咳などが長引き「急性副鼻腔炎」か「慢性副鼻腔炎」になってしまうケースです。
こどもの場合は自ら正確に症状を訴え周りに伝えることが難しく、なんとなく鼻づまりが長引くうちに「慢性小児副鼻腔炎」となることもあります。 保護者の方も「そのうち治るかな」と様子をみているうちに実は悪化してしまっていたということも多々見うけられます。
また、内科や小児科で風邪と診断され、薬を服用した安心感や、小児科や内科では 「副鼻腔炎」の正確な診断や対処がしにくいという点も挙げられます。
小さな子どもは、うまく鼻をかめずに鼻をすすってしまうことが多く、これも副鼻腔炎になりやすくなる原因のひとつです。
大人と同じく、主な症状は鼻水・鼻づまりなどです。
鼻水がのどの奥の方へ流れて、痰のからんだような咳をしたり、鼻づまりのためいびきをかいたり、口呼吸になることもあります。
子どもは自分の症状を的確に訴えることができません。このような副鼻腔炎が疑われる症状がある時は、ひどくはなくても早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。
特に乳幼児の場合、実際は小児副鼻腔炎を発症していたとしても、その初期症状が咳、発熱、喘鳴ゼロゼロとした音といった呼吸器症状であることが多く、周囲もなかなか副鼻腔炎と気づきにくいこともあります。
風邪の症状が7日以上続いている、風邪の後に上記のような症状が続いている場合は、耳鼻咽喉科を受診して副鼻腔炎になっていないか確認してみましょう。
また副鼻腔炎の合併症として中耳炎がありますが、特に子どもの場合は大人より耳管の構造や働きが未熟なため、中耳炎を合併しやすいので注意しましょう。